膵頭十二指腸切除後腹腔内出血に対するアンケート調査について
外科に通院中の患者樣へ(臨床研究に関する情報)
当院では、以下の臨床研究を実施しております。手術前の説明時に、医学研究へのご協力を同意していただきました内容に則して適正に実施致します。この研究に関するお問い合せなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。
【研究課題名】
膵頭十二指腸切除後腹腔内出血に対するアンケート調査
【共同研究全体の代表研究機関、研究責任者】
九州大学大学院医学研究院 臨床腫瘍外科学分野 教授 中村 雅史
【研究承認】
近畿大学医学部倫理委員会での審査を経て医学部長より許可されました。
【研究実施期間】
倫理委員会の承認日から2025年12月31日までを予定しております。
【研究資金】
なし
【利益相反】
本研究に携わるすべての研究者はいかなる利益相反も有していません。本研究に関わる研究者の利益相反については、近畿大学医学部利益相反マネジメント委員会によって審査しています。
【研究の目的、意義】
膵頭十二指腸切除術(PD)後に腹腔内出血を生じた症例の検討し、腹腔内出血に対する早期発見法と治療法に対する最も良い方法を見出し、その結果本邦におけるPD後死亡率を低下させることが期待されます。
【研究の方法】
当院で膵切除術を受けられた患者様の電子カルテ内の情報を用いて、統計学的に解析を行います。同時に膵切除研究会の175施設を調査対象施設として、多施設共同で研究を行います。
対象となる患者樣
参加に同意した175施設で2009年1月1日から2018年12月31日までに行われた膵頭十二指腸切除術を行った患者様約35000例が対象となります。このうち出血率を3%と仮定すると1000例が詳細なデータ解析対象となります。
利用する情報
- 調査・検査項目
- 主要評価項目:膵頭十二指腸切除後腹腔内出血発生率(膵頭十二指腸切除術後の死亡の原因として最も重要なものが腹腔内出血であるため)
副次評価項目:膵頭十二指腸切除後仮性動脈瘤発生率 - a. 術前情報;
- 性別、年齢、身長、体重、Body mass index (BMI)、ASA-PS分類(米国麻酔科学会全身状態分類)、手術歴の有無、術前合併症の有無とその内容
手術直前血液学的所見:血球分画、CRP、肝機能(Bil, LDH, AST, ALT, ALP, Alb, TP)、腎機能(BUN, Cr, Na, K, Cl)、腫瘍マーカー(CEA, CA19-9)、術前抗凝固薬投与の有無 - b.手術情報
- 手術日、膵の性状(soft/hard)、手術術式、腹腔鏡か開腹か、膵切離法、膵―消化管吻合の方法、動脈合併切除の有無と再建方法、門脈合併切除の有無と再建方法、手術時間(分)、術中出血量、術中輸血の有無
- c.術後情報
- 術後PPI(プロトンポンプ阻害薬;胃酸の産生を抑え、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に使用される薬です)投与の有無
最終病理診断
術後膵液瘻の有無(下記参照)
術後ドレーンアミラーゼ値
出血時期、出血の契機、出血の種類、出血発見者、出血前のCT撮影の有無、出血時ショックの有無、ICU管理の有無、輸血の有無、出血に対する処置の方法、再出血の有無
術後膵液瘻に関連した感染症の有無(発熱、白血球上昇)
術後感染症の有無
術後合併症(I/II/IIIa/IIIb/IV/V using Clavien-Dindo classficiation:下記参照)
合併症対処法
退院日
術後在院日数
在院死(術後〜退院前に死亡したもの)
在院死の原因
最終生存確認日、死因
個人情報の取り扱い
カルテから、お名前、住所など、患者樣を直接同定できる個人情報を削除し、患者様とは無関係な番号を付して匿名化した上で、上述の情報のみを残したデータを用いて解析します。研究用に取得した情報は共同研究機関(九州大学 研究事務局)以外の機関への提供は行いません。また他の研究などへの情報の二次利用はしません。
[患者様の負担や利益] 本研究による患者様の負担や利益は生じません。
*上記の研究にカルテ情報等を利用することをご了解いただけない場合や、研究に関する資料閲覧の希望などの問い合わせがありましたら、下記にご連絡ください。なお、ご了承いただけない場合に何らかの不利益を被ることはありません。
問い合わせ先
研究責任者;吉田 雄太 近畿大学 外科 肝胆膵部門 助教
連絡先:〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2 072-366-0221 (内線: 3111)