近畿大学病院(外科)で(大腸がん、クローン病)に対する治療を受けられた患者様・ご家族の皆様へ
近畿大学病院(外科)(以下、当科)では、オーストリア、インスブルック大学のTrajanoski 教授との共同研究で、「大腸がんにおける腫瘍浸潤好酸球の解析(後向き観察研究)」という臨床研究を行っています。今回、より詳しい解析を行うために、大腸がんの症例数を追加し、免疫染色の陽性対照としてクローン病の手術で切除された組織を使用する点に関して変更を行いました。
そのため、当科で(大腸がん、クローン病)に対する治療を受けられた患者様の手術検体と診療情報を使用させていただきますので、以下の内容を確認してください。なお、この研究は、近畿大学医学部倫理委員会で審査・承認を受け、医学部長による実施の許可を受けて行われます。
① 試料・情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
この研究では、(大腸がんに対する免疫反応)について調べることを主な目的としています。そのため、当科で大腸がんおよびクローン病に対する治療を受けられた患者様のうち、2018年1月から2023年12月までに、当科で手術を受けた方を対象として、手術で切除された腫瘍のホルマリン固定標本と診療情報のみを研究に利用します。Nature 誌(Gurtner A 他、Nature. 2023;615,151-7)で報告された、クローン病の腸管の免疫染色法を参考に免疫染色を実施します。そのため、免疫染色が適切に実施されているかどうかを判定するため、クローン病で手術を受けられた患者様の小腸、大腸のホルマリン固定標本を免疫染色の陽性対照として利用します。利用する情報は、患者様個人が特定されないようにした上で、個人情報に関しては、厳重に管理します。病気の特徴を把握するために、年齢と性別に関する情報は、インスブルック大学に提供しますが、それ以外の個人が識別できる情報を他の機関へ提供することはありません。
② 利用し、又は提供する試料・情報の項目
- カルテ情報(年齢、性別、診断名、臨床病期、治療方法、予後に関する情報)
- 各種検査結果(血液検査・病理学的検査)
なお、当該試料・情報の取得の方法は、以下のとおりです。
- 過去の手術記録、カルテ情報をもとに、大腸がんで結腸切除および直腸切除術を受けた患者様と、クローン病の治療のために小腸切除、大腸切除術を受けた患者様をリストアップします。
- 選択された症例のうち、通常診療内で作成された腫瘍と近傍の正常組織のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックを用います。
- 4-5μm厚で薄切した未染色プレパラートを用いて、免疫染色法という方法で腫瘍の中に浸潤している免疫細胞の種類を同定します。
- 残存腫瘍組織の消耗や稀ではあるが滅失が起こる可能性があります。
③ 利用又は提供を開始する予定日
近畿大学医学部倫理委員会で承認され次第開始します(承認日:2023年12月27日)。
研究期間は、倫理委員会承認後より5年間を予定しています。
④ 試料・情報の提供を行う機関の名称及びその長の氏名
近畿大学医学部 医学部長 松村 到
⑤ 提供する試料・情報の取得の方法
試料は、インスブルック大学(オーストリア)へFEDEX で送付する。
情報は、セキュリティが確保されたクラウドストレージからダウンロードする。
⑥ 提供する試料・情報を用いる研究に係る研究代表者の氏名及び当該者が所属する研究機関の名称
近畿大学 医学部 外科 川村 純一郎
⑦ 利用する者の範囲
近畿大学医学部外科 川村 純一郎
尾川 諒太郎
幕谷 悠介
近畿大学医学部免疫学 垣見 和宏
インスブルック大学 Zlaltko Trajanoski
⑧ 試料・情報の管理について責任を有するものの名称
近畿大学医学部
⑨ 研究対象者等の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究機関への提供を停止する旨
この研究では、患者様・ご家族様の試料および診療情報が利用されることに同意できず、拒否されたい場合に、下記の方法により、いつでもその利用を停止することが可能です。また、利用の停止を受け付けた場合でも、その後の診療において一切の不利益を受けることはありません。ただし、利用又は提供開始日より6 か月が経過した時点以降にお申し出いただいても利用を停止することはできませんので、ご了承ください。
⑩ ⑨の研究対象者等の求めを受け付ける方法
下記までご連絡ください。なお、この研究に関するすべてのお問い合わせも下記で受け付けます。
[お問い合わせ先]
近畿大学病院(外科)(川村 純一郎)
電話:072-366-0221(内線:5609 FAX:072-367-7771
⑪ 外国にある者に対して試料・情報を提供する場合の情報
- 当該国の名称 オーストリア(EU)
- 個人情報の保護に関する制度の情報
EUでは、EU域内の個人データ保護を規定する法として2016年4月に制定された「GDPRGDPR(General Data Protection RegulationRegulation:一般データ保護規則)」が2018年5月25日に施行され個人データやプライバシーが厳格に保護されています。 - 個人情報保護のための措置に関する情報
EUは、個人情報保護法第28条に基づき、個人の権利利益を保護する上で我が国と同等の水準にあると認められる個人情報の保護に関する制度を有している外国(国又は地域)に指定されています。
以上