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肝臓・胆道・膵臓

ご挨拶

松本逸平

近畿大学医学部外科学教室
肝胆膵部門 主任教授
松本逸平

2023年4月1日より、外科学教室肝胆膵部門の主任教授を拝命しました松本逸平と申します。

近年、肝胆膵疾患、特に難治癌である膵癌、胆道癌などは罹患率が年々上昇しています。これらの疾患は診断、治療が容易でなく、その解剖学的複雑性のため安全な手術には高度な技術が必要とされています。肝胆膵部門では、これら疾患に対し多くの手術を行なっており、全国有数の手術症例数を誇ります。地域のhigh volume centerとして、教室員一丸となり日々診療・研究・教育に取り組んでいます。

特に膵癌、胆道癌では化学療法や放射線療法と手術を組み合わせた集学的治療により、着実に治療成績の向上がみられています。診断時切除不能でも長期間の化学療法や化学放射線療法により外科切除が可能となる症例も増加しています。このような症例では、他臓器合併切除や門脈・動脈合併切除再建など高難度の拡大手術となりますが、最後まで諦めない外科治療を実践しています。当院では消化器内科、放射線科、腫瘍内科などの他診療科・他部門との緊密な連携と協力により、個々の患者さんに最善の高度医療を提供するとともに、更なる治療成績向上を目指して新規集学的治療開発にも多く取り組んでいます。一方、良性疾患や低悪性度疾患を中心に、低侵襲である腹腔鏡やロボット手術や臓器機能温存手術を積極的に行い、整容性、術後糖尿病予防などを目的とした臓器機能温存、術後QOLに配慮した治療を提供しています。

当院は急性膵炎・慢性膵炎に対する積極的な外科介入を含めた集学的治療を行っており、他院で治療に難渋した症例が遠方からも多数紹介されます。膵炎自体は良性疾患ですが重症化すると予後不良となることも多く、高度の治療技術を要する様々な診療科や部門が関わる院内チーム医療体制を構築しています。地域での重症患者の転送や受け入れが円滑に行えるよう、南大阪地域における急性膵炎診療の地域連携システム構築会議も年1回行っています。また地域の中核病院として、胆嚢結石や胆嚢炎などの良性疾患も含め、ありとあらゆる肝胆膵疾患の治療を行います。地域の医療機関の先生方におかれましては、どのような疾患でもいつでもご紹介、ご相談いただければ幸いです。

日々の診療より得られた臨床上の課題を解決すべく、多くの臨床研究に取り組んでいます。肝胆膵外科のさらなる治療成績向上に向け、肝胆膵癌に対する集学的治療開発、合併症低減のための術式開発、予後・QOL向上を目指した周術期管理法の開発などを中心に臨床研究を行い、国内外に多くの報告を行っています。

卒前・卒後を通して、知識と技術にとどまらず、医師として必要な高い倫理観、プロフェッショナリズムを育成し、高い使命感と創造力ある次世代を担う人材育成を目指します。チーム医療の導入・実践、働き方改革を意識した仕事の効率化、女性外科医への配慮など、時代に即した労働環境づくりにも取り組んでいます。十分な対話を通じて同じ目標を共有するとともに、個々の希望や目標・価値観も尊重し、明るく働きがいのある教室運営を目指します。臨床研修や手術見学、入局などついてのご相談は随時受け付けておりますので、関心のある先生は是非遠慮なくお問い合わせください。

最後に当部門の理念をお示し、稿を結びたいと思います。

理念

  • 患者第一、安心・安全な医療の提供
     患者さんの治療を最優先し、安心かつ安全な医療の提供に日々努力します。
  • 最先端高度医療の提供
     低侵襲(腹腔鏡・ロボット)手術や集学的治療により、個々の患者さんに最適かつ最先端の高度医療を提供します。
  • 国内外への情報発信
     臨床研究により治療成績のさらなる向上に努め、国内外へ情報発信を行います。
  • 全人的教育の実践
     全人的教育を実践し、高い使命感と創造力ある次世代を担う人材育成を行います。
  • 医療者にとっても安心できる医療体制
     医師を含めた医療者やその家族にとっても安心できるワークライフバランスにも配慮した医療体制の構築を目指します。

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