研究に関するお知らせ

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新しいがんペプチドワクチン(再発大腸がん)の臨床研究が開始されました。

これまで当科では標準的治療に抵抗性あるいは不耐性(抗がん剤が効かなくなった、あるいは副作用が強くて続けられない)の大腸癌再発患者さんに東京大学医科学研究所(中村祐輔教授)で開発されたキラーT細胞を誘導する数種類のがんペプチドワクチンによる臨床試験を行ってきました。この試験ではHLA-A24(クラスI白血球抗原のうちA座が24陽性である方で、わが国では約60%が該当する)の患者さんが対象でした。

この度、北海道大学遺伝子病制御研究所(西村孝司教授)との共同研究で、サバイビン(survivin)というがん抗原を発現する再発大腸癌の患者さんにヘルパーT細胞とキラーT細胞ともに誘導できる長いアミノ酸鎖(ロングペプチド:H/K HELP)による第II相臨床研究(このペプチドワクチンの効き目を調べる研究、第I相は副作用、安全性を調べる試験で、この段階はすでに終了)を開始します。このペプチドはHLA抗原のうち、クラスII抗原に結合しますので先のようなA24の患者さんに限りません。対象条件は1)再発大腸癌で標準的な抗がん剤治療に抵抗性または不耐性であり、画像上明らかな病巣が確認できること、 2)大腸癌がサバイビンを発現していること、これは切除された大腸癌の病理組織ブロックか病理標本スライドで判定しますので、手術を受けた病院からそれをお借り出来る場合、3)HLA-クラスII抗原がこのペプチドに結合できること、この判定は少量の血液や頬粘膜の細胞などで判定可能です。

詳しくは近畿大学医学部附属病院患者支援センターにお電話のうえ、当外科、奥野清隆(おくのきよたか)、杉浦史哲(すぎうらふみあき)までお問い合わせください。

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