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肺・胸部

医療関係者へのご挨拶

光冨徹哉 呼吸器外科部門では肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍を中心とした胸部の悪性腫瘍の外科治療を主に担当しています。現在提供できる最良で安全な医療を提供することのみならず、肺がんの分子生物学的側面に注目して患者さんにとって最もふさわしい治療を選択することで最小の負担で最大の効果を上げることを目指しています。

2012年の5月1日に光冨徹哉(昭和55年、九州大学卒)が呼吸器外科部門の初代主任教授に就任しました。治癒を導入するという意味ではもっともパワフルな外科手術ではありますが、外科手術単独では明らかに限界があり、生物学の理解とそれに基づく治療なくしてブレークスルーはあり得ません。

2004年にEGFR遺伝子変異のある肺癌にはそのチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブが高い効果をもたらすことが示され、2007年にはALK融合遺伝子が発見されました。ALKの阻害剤であるクリゾチニブは2012年に承認され、さらに2017年にはROS1融合遺伝子を有する肺癌にも適応拡大されました。このように肺癌薬物療法においてはここ10年余の間に、遺伝子変異のタイプ別に分子標的治療薬剤を選択することで高い効果を得ることが可能となりました。さらに2015年には免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブがセカンドラインの肺癌治療に承認され、さらに2016年にはPD-L1高発現の症例に対してファーストラインでのペムブロリズマブが承認され、またもや大きなパラダイムシフトが起ころうとしています。

一方外科の領域においては胸腔鏡の導入や、画像診断に基づく切除範囲の縮小化など、同じ治療効果がどの程度の低侵襲化によって可能かというような研究が主に行われてきました。今後は著明な薬物療法の進歩の中でどのように外科を位置づけることが、患者さんに最小の負担で最大の利益をもたらすことができるかを考えて行く必要があります。そういう意味で分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の周術期治療の臨床試験に積極的に参加しております。また、次代を担う若い呼吸器外科医には基礎医学、薬物療法、そしてもちろん外科学に対してバランスの取れた深い教養をもち、将来の課題に取り組んでいってほしいと考えております。

平成29年7月31日

主任教授 光冨徹哉

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